騒音計、振動レベル計などの計測機器によく出てくるWAVファイル。
計測関連のソフトウェア開発では、WAVファイルを使って以下の事をよく行います。
- グラフに表示する
- レベル化処理を行う
- CSVファイルに出力する
- 周波数分析(FFT分析・オクターブ分析)を行う
上記処理を実施する上で抑えておくべき事項をまとめました。
騒音計のWAVファイルを説明
騒音計はご存知の通り音量を測る為の計測機器です。
騒音計は、音を保存するための機能(サウンドレコーディング機能)が備わっており、本体やSDカード等の外部メディアに音データを録音します。その際に保存されるファイル形式が、WAVファイルになります。
WAVファイルは、下記の図のようにUSBケーブルやSDカード経由でパソコンに取り込む事ができます。
上記に上げているリオン製品 精密騒音計NL-62のスペック
保存ファイル形式 | 非圧縮波形WAVEファイル |
サンプリング周波数 | 48 kHz、24 kHz、12 kHz から選択 |
データ長 | 24 bit、16 bit から選択 |
<< 音がWAVファイルになるまでの流れを説明 >>
騒音計はマイクロフォンで録音した音・音声を、機械が保存できる音声信号に変換します。その音声信号を保存したファイルがWAVファイルになります。騒音計内部にあるA-D変換器が、アナログデータ(Analog Data)である音を、デジタルデータ(Digital Data)である音声信号に変換させています。
WAVファイルについて
Windows上で音声ファイルを操作する際に抑えておくべき基本的な知識を下記にまとめました。
- Waveform Audio File(WAVE)の略。
- Windowsで使用する標準的な音声ファイルのフォーマット。
- MicrosoftとIBMによって共同開発された音声ファイル形式。
- 拡張子は「.wav」、「.wave」 例:you.wav、fit.wave
- 一般的に「ウェーブ」、「ウェブ」と呼ぶが、音屋はよく「ワブ」と呼びます。
- データ長が32ビット符号なし整数型で記述されているため、4GBを超えるファイルを作成できない。
- 標準では無圧縮のPCM方式のデータが記録されている事が多い。
- データ形式は自由であり、μ-lawや、ADPCM、MP3、WMAなどの圧縮データを格納する事も可能。
- 標準で対応していない形式の音声を記録・再生するには、その形式を扱うためのコーデックが必要となる。
- 音声信号をデジタルデータ化し、決められたファイル形式(RIFF形式)で保存している。
- モノラルまたはステレオ属性、ビット深度、サンプルレート、曲数といったファイルに関する情報も格納することができる。
それでは、次の②の記事でWAVファイルの中身をのぞいてみましょう。WAVファイルのデータ構造について
以下は専門用語の説明
PCM方式とは?
- 音声などのアナログ信号をデジタルデータに変換する方式の一つ。
- 信号を一定時間ごとに標本化(サンプリング)し、定められたビット数の整数値に量子化して記録する。
- 記録されたデジタルデータの品質は、1秒間に何回数値化するか(サンプリング周波数)とデータを何ビットの数値で表現するか(量子化ビット数)で決まる。
- CDのサンプリング周波数は44.1kHz(1秒間に44,100回の標本化を行なう)、量子化ビット数は16ビット(216段階、つまり65,536段階で符号化する)となっている。
- PCM方式を分かり易く紹介しているサイト⇒こちら
RIFFとは?
- Microsoft社とIBM社が共同開発したファイル形式。
- 画像や音声(AVI, ANI, WAV) などの様々な形式のデータを1つのファイルに格納するための共通フォーマット。
- 音や動画のデータをタグ付けされたチャンク(ひとまとまりのデータ)に保存する形式。
- より詳しく知りたい方はこちらより→wiki RIFF、
コーデックとは?
音声や映像のデータを変換したり、一定の規則に基づいて符号化する装置や機能のこと。
(coder:符号器と decoder:復号器、またはcompression:圧縮とdecompression:伸張の複合語)
音声や映像などのエンコードとデコードに使うプログラムをまとめてこう呼ぶ。